趣味は引っ越し
突然ですが、また新たに引越しをしました。
たったの一ヵ月半の短いダルストンの夏、セミの如く黙って土の中で我慢をしていたのだが脱皮してあっけなく死ぬ前にこれは出なければ・・・と。
って何があったのかと言うと、まず水周りの環境のストレス。
くせーの。
内見の時は全然気にならなかったのだが、いざ生活をしだしてみたらキッチンから腐った卵の匂いがし、もう目をつむればそこは箱根。
いつのまにロマンスカー乗ってきちゃったのかなって思うけど、目を開ければそこはロマンスとは無縁・イン・ダ・ハウス。
そしてもう一つ究極のストレスだったのが、シェアメイトの一人の女子。
シンガー志望の彼女、俺の箸をまず接触の悪い電子ポットを動かす為に、勝手にポットの下に挟んで使っており、罪悪感は当然あるはずがないので使ってそのまま放置するのである。
動かぬ証拠というか証拠を動かすつもりがないって斬新だなぁ・・・と、文化の違いによる箸の使用用途の認識の誤差を己に言い聞かすことでしかもはや合点がつかない。
彼女は更に風呂の排水溝にたまる髪の毛を絶対にとらない、キッチンで使ったものはそのまま放置、彼女の友人達とキッチンを浅間山荘の如く5時間ほど占拠、トイレをなぜか流さない。人のコンテナボックスを勝手に持ち出して返さない。
と、俺をイラだたせるドッキリで派遣されてきたとしか思えないレベルなのだ。
ドッキリのプラカードを掲げてミスターちんが現れてくれたらどれだけ救われる事か。
しかし2017年の今、ミスターちん、ましてやデビット伊東の登場に期待なんぞできるはずもなく
この現実に今後付き合っていく自信がとにかくなかった俺は速攻で引っ越しを決めたのである。
内見を2つほどした結果、気にいったので内見に付き添ってくれた大家の嫁に連絡したら、一年分の給与明細と銀行残高の提示だったりと、こっちにきて一年未満の俺には書類関係の条件が満たされず、諦めの返事をして他をあたろうとしたら、旦那の大家から突然「ちょっと待った!!!」と電話が。
ドッキリの後は、ねるとんかよ。と思ったら、「君は日本人か!!?」と。
そうです。何を隠そう、あたしゃ日本人です。
そして「僕は日本に住んでいた事もあるし、日本の文化が大好きなんだ!書類とかいいから、もう君の為に部屋キープしとくよ!!!」とまくしたてられるという、まさかの展開に。
更によくよく話を聞いてみると、なんとこの大家。俺の地元に25年前、住んでいたらしい。
出身聞かれて、埼玉つってもどうせわからないだろうし東京にしていこうとスカしたら向こうから「僕は東京近くの埼玉の○○ってとこに住んでたんだ。知ってる!?」と、初めて聞いた、イギリス人からの「サイタマ。」
そして、くだらぬスカしをしたこともまさかの速バレ。
穴があったら埼京線で埼玉に帰りたい。
そんなこんなを経て、2度目の引越しをしたのである。
なんだか前の家の事が非常に悔しかったので徒歩で5往復の引っ越し作業。
自らの戒めである。
例の大家はベッドを無料でくれたりと、あまりにも好待遇過ぎて若干怖いのだが、どうかここですんなり落ち着ける事を祈るばかりだ。