俺キクチのブログ

PR等のアパレル稼業を10年経て イギリスのYMSを取得しロンドンに2年移住した者の その日暮らしを晒しております。 http://instagram.com/lclccylcy/

一時帰国ブルース~②~

ということで、一時帰国での出来事を書いていこうと思う。

 

まず帰国したのは4月の中頃である。

 

パリを経由し、人生初の羽田空港に降り立った。

そして、いざ家路へ。

と、しょっぱなに出迎えられたのは、駅員のコスプレをさせられたPepper君。

https://www.instagram.com/p/BS5s56vlJbb/

いかにも採用人数が少ないといわれている鉄道業界に図々しくも「なんかこいつおもしろそうだな」という理由だけで採用されてしまった駄目新入社員といった感じだなぁ・・・と思っていたら、やはりナンパの調子で話しかけてきたのである。

 

ギョッとした拍子に違う方向を見たら、そちらはそちらで、ゆるキャラと"4月だから"と安直な理由で供えられたであろう桜の造花にWELCOME TO JAPAN!!!とデカデカと書かれたボードに道を塞がれていた。

 

しょっぱなからこのラーメンとチャーハンとカレーライスとカツ丼の炭水化物の四面楚歌といった具合のおなかいっぱいな状況。

そりゃなんだか胃ももたれ、腹もくだすってものだ。

 

本当に急な便意に襲われてしまった俺は、そんな四面楚歌をどうにか潜り抜けながら

「そうだ。あんな陳腐な日本らしさより、コンビニがそこらにあって、綺麗なトイレが借りられるというもっと素晴らしい日本らしさがここにはあるではないか!」と、意気揚々とコンビニを目指した。

 

駅を出ればすぐそこには、やはりコンビニ。

 

あ~よかったな。やはり日本にはるばる帰ってきて、あ~本当によかったなぁ。

と、そんなよかったな感を歌にしたためていた花*花というデュオがこの国にはいたよなぁ・・・と

浮かれぽんちな勢いにどうでもいい"日本"まで引っ張り出して浮かばせながら、いざすぐそこのコンビニのトイレへ・・・

 

そして、待ってました!!と言わんばかりに勢いよくドアを開ければ、そこには我慢の末に暴発したであろうブツがあちらこちらに散らばっているという惨劇の光景が広がっていた。

 

しょっぱなから人間ではない謎のコスプレした機械に馬鹿にされたかのようにナンパされ、

あらゆる日本感をとりあえず散らばめてみましたといったコンテンツに道を塞がれ、

そんな中の日本への唯一の最初の希望の光を覆った茶色の闇・・・

 

もしこれが日本人の俺ではなく、はるばる来た異国の者であったらどう思うであろう。

少なくともペリーであったら、開国の要求を取り下げ、トイレットペーパーという文明のみをそっと置いて無言で引き返していくであろうし、リア・ディゾン然りである。

 

そんな出だしに、前途が非常に不安になりながらもどうにか家にたどり着き、そこには母の久しぶりの手料理と、愛しの猫たちが待っていた。

https://www.instagram.com/p/BS5-xiNF-Dz/

一気にもうなにもかもが吹っ飛んでしまうよね。

 

ありがとう、日本。

やっぱりなんだかんだで愛おしいよ、生まれ育った国、日本。

 

ぺろっと平らげ、久しぶりの家の風呂の湯船にのんびり浸かり、そのまま長いフライトに疲れきっていた自分は、これまた懐かしい自分の布団に入り、言いようのない幸せをかみしめながら呑気に眠りにつくのであった。

 

その後、様々な濃厚な出来事が巻き起こるとも知らずに・・・

 

※いつか更新されるその③に続く

一時帰国ブルース~①~

明日書こう、明日書こう。と、誰が待ち侘びているかもわからぬこの自己満足への道連れを放置し続けていた結果、気付けば2カ月近く更新を怠っていた模様で、はてなブログ側から「覚えてますか!?」といった生存確認のようなメールまで来てしまった。

 

俺は生きているし、何なら東京に1カ月、仕事をしがてら呑気に帰っていたのである。

https://www.instagram.com/p/BTB2qxdF-aA/

https://www.instagram.com/p/BTF0P8HF3Fj/

厳密に言うと埼玉なのだが、埼玉県民の7割は半分、自分たちを東京都民だと思っており、叶姉妹が姉妹ではないのに姉妹と名乗っているような趣に近いと捉えていただいて、どうにか受け流していただきたい。

 

今回は、以前のようにPR関連の仕事、お酒を売る仕事まで幅広くさせていただいて、非常に刺激となる経験をたくさんさせていただき、最初冗談で「野沢直子氏のような出稼ぎ帰国」と称していたのだが、本気でそういった運びとなって意外とバタバタしてしまった。

 

ロンドンに行ってまだまだ慣れない事が沢山だなぁ。と思っていたのに、東京に来て思った事は意外にもロンドンの速度モードにいつのまにやら自分のスウィッチが切り替わっていたようで、思っていた以上に慌ただしい東京の速度に切り替えねばらなぬ事態に戸惑う自分。

 

ただでさえマイペースな人間がマイペースっぷりに磨きがかかってしまっていたので、せっせと次から次へと足早に過ぎていく周りに、東京オリンピックが実は既に開催されており、知らぬ間に選手として放り込まれてしまったのでは・・・といったくだらぬ現実逃避の疑念が浮かばずにはいられず、とどめに小池百合子氏が目の前に現れたので、疑念は爆発。有森裕子、I WAS GAYはガブリエル。

 

街を歩けば、新たな施設ができていたり、あったはずのものがなくなっていたり

半年の速度は思っていた以上に早かった。

 

ので、1カ月帰っただけでもだいぶ濃厚な出来事がびっくりするほどあったので

これから小分けにして書いていきたいと思います。

 

皆様お付き合いくださいませ。

 

とりあえず、今回はここまで・・・

30歳になった俺と西田ひかる

なんやかんやしていくうちに歳というものはとっていくもので、いつのまにやら30年間も生きていた模様。

https://www.instagram.com/p/BR315PPD3c7/

まさか三十路を歩みだす場所が異国の地になろうとは20歳当時の自分は想像もしてなかったが、そんな大きな節目の祝い事に関してまた文化の違いが発生し、30年という経験値が早速揺らいでいる。

 

というのも、こちらの仲良い友人から「誕生日祝いなんかしようよ。30歳なんて大きな節目なんだから!」と不意に言われ、そりゃあ祝ってくれるだなんていられりつくせり、どうもありがとう。30年も生きてきた甲斐があったというものである。と、まずはどんと構えていた。

 

こんなことを言ったらとてもいやしいが、まあいやしい人間だから言わせていただくが

きっと友人が今頃あれやこれやと手配してくれていて、それに外国流のこれまた今までとは一味違ったサプライズとやらが待っていて、どでかいパイやら何やらが出てきたり、鳴らされるクラッカーに音に驚く自分という謎のイメトレまでしていた。

 

もう考えられる範囲で何パターンかのシチュエーションを妄想し、準備をしていた。

 

アドリブが来ようがどんと来い、気分はもうアカデミー受賞候補の男優のソレであり

日本を代表してやってまいりました。どっからともなく、さあどうぞ!である。

 

そうこうしている内に、3日前ほど友人から一通のメールが届いた。

 

「ねえ、誕生日のプランはどうなった!?」

 

・・・・えっ。

 

どうなったって、どうなったのかを聞きたくても聞けなかったのはこちらなんだけどな・・・

 

そう、俺は肝心な事を忘れていたのである。

こちらは誕生日会を自ら企画せねばならぬ、かつての"西田ひかる"システムが主流である事を。

 

ワイドショーで夏の風物詩と呼ばれ、毎年謎に豪華な誕生日を自ら企画し、悪趣味なドレスを身にまとい、恋人の有無やらなにやらをリポーターに受け答えるという西田の茶番を見せつけられて、自ら誕生日を企画する奴なんぞにろくな奴はいないな・・・と子供心に思っていた行為を、数十年経ち、30という大人になった自分がまさかすることになろうとは、当時の幼き自分が知ったらきっと卒倒するであろう。

 

大人になることを拒み、きっとグレては童心をひたすら追求した結果、体は大人で頭脳は子供という逆コナン君のような存在になっていたに違いない。

 

しまいには友人に「もし週末にするなら早く店考えて予約しないと、あっというまに予約取れなくなるよ!!わかってんの!?」と、追い打ちの説教をされて、もう何が目出度いんだかよくわからない事になってしまった。

 

もうね、一気にノイローゼですよ。

 

自分で自分の祝い事を考えるなんていう思考をそもそも今までこの30年使った事がなかったものだから、なーんにも浮かんでこない。

 

浮かぶものと言えば、あんなに馬鹿にしていた西田ひかるへの尊敬の念ばかり。

 

素直にすごいよ、ひかるは。よくもあんなにも堂々たる姿で、開催できたものだよ。

ひかるよ、教えてくれよ。俺はどうしたいいんだ。

あるあるるる、愛がある。きっと大丈夫と諭してくれよ・・・

 

そうして悩みに悩み数日間悩み続けた結果、カラオケという手があることがどうにか浮かび、少々肩の荷が下りたわけである。

 

本番はまだ今週末なので、どうなる事やらだが、仲の良い友人と共にこうして過ごせるだけでもありがたく幸せな事なので、贅沢な妄想をしていた自分を戒し、楽しんでこようと思う。

 

 

https://www.instagram.com/p/BR3V-YAjpWE/

東芝に思いを馳せて

3月がやってまりました。

https://www.instagram.com/p/BQq-E5dD_LV/

 

https://www.instagram.com/p/BQ3J3mYjeXi/

ここんとこはというと、知人が亡くなった報せが届いたり、人間関係に悩んだり、

悲しい出来事の中で、他諸々もなかなかうまくいかなかったり、やることなすことが悪循環に突入して、ほんの一握りの光を頼りにそこに向かえど、光じゃなくて、引火寸前の油といった具合。

 

もう一歩動いただけで永沢君の家の如く炎上しかねぬものだから、もうピーヒャラピーヒャラパッパパラパーなどと能天気な調子で自らを逃避させるしかないし、エジソンは偉い人。そんなの常識な世の中で生きていくしかないわけである。

 

終わる予感を感じさせぬこの流れに、今にもキートン山田の「後半へ続く。」のナレーションが聞こえてきそうであるが、どうかいっそ「サザエでございます。」まで、飛ばしていただけないものだろうか。

 

スポンサーの東芝により存続危機を迎えていると報じられている中でも、そんなことお構いなしに呑気にオープニングで様々な名所を旅するサザエレベルの余裕が俺には必要なのだ。

 

そんな中で、メンタルで弱っているならフィジカルでどうにかしてみようと自転車生活を再開。

 

買ったのに、スト2のボーナスステージの如く使う度に壊れる自転車に恐れおののきなかなか乗れずにいたのだ。

 

乗ったのはEppingに自然鑑賞しに行って以来。

lclccylcy.hatenablog.com

最初は意気揚々と乗ったはいいものの、慣れぬ道で次第に迷い、運動不足の体もこたえて「もうやだ・・・」と思っている中で、何かをひきそうになって、慌てて止めてみたらバナナであった。

 

マリオカートかよ。

 

そしてまた前輪のタイヤが1週間で2度もパンクを起こし、自転車購入額よりも高い代償に・・・

 

https://www.instagram.com/p/BROMqXUjD81/

友人に誘われロッククライミングにも行ってみた。

 

ちょっと前まで世の気取った奴らの"やってればなんとなくオシャレ"ランキング上位にランクインしていたソレである。

 

登ってみたはいいものの、やはり自分には才能がない。

そして、なんで自分はこんな室内で、人が作った岡本太郎作といった趣の謎の物体を使って上を目指し、落ちたら死ぬわけでもないけど落ちたらなんかダメ。といった危機感を自らに煽っているのだろうか・・・という悪い癖の「自問自答」がはじまってしまい、もう心は完全マットを突き抜けて底に落ちてしまった。

 

フィジカルでさえもどうやらこちらの味方をしてくれぬ模様である。

 

あと二週間もすれば、我が三十路の人生がはじまってしまうし、4月15日から一カ月ほど日本に帰ったりもするので、状況打開の術を見出せるように日々をもはや生きていくしかない。

 

そしてニューヨークから遊びに来た友人の一言を思い出す。

 

「でもさ、私なんて中国人に水晶売りつけられそうになったから。」

瀬戸内寂聴に思いを馳せて…

https://www.instagram.com/p/BQBN100hu7a/

突然のみうらじゅん感から失礼いたします。

 

仕事ではロンドンファッションウィークも始まって、このなんだかバタバタな感覚が久々で

いろいろ不安なこともまだまだあるけれどそんなこんなで楽しんでいる。

 

先日はショーのインビテーションを直接投函する為に、ロンドン中を歩き回った。

 

googleマップ片手に、うろうろと徘徊したんだけど、たまにgoogleマップってとんでもないウソをつく。

 

とある場所を目指していた際は、謎の倉庫のようなところに案内されて迷ってしまい、これが2時間サスペンスだったら犯人の罠で倉庫で拘束される女刑事といった所なんだろうけど、現実で待っていた罠は自らの急な便意であり、外に出るに出れない便&己自身という状況下で、しまいには鼠の死体を見つけてしまい、こいつのように一生出れずに便と共に死すのか・・・と縁起の悪さにかかる拍車。

 

また別の場所は某大企業だったのだが、オフィスだとやっぱりポスト的なものがなくて、警備員的な人に届けねばならず、夕方となっていた時間に尋ねたら、早く帰りたいのかあからさまな不機嫌な顔をされて、インビテーションをテーブルにものすごい勢いで叩きつけられた。

 

目の前の光景が信じられなくて、この人疲れすぎてピザ生地に見えちゃってんのかな、インビテーションが。と思ったけど、「こんな時間に来るんじゃねぇよ。」と発してきたので、もうこちらもただでさえ歩き回って、便意やら鼠やらで、心身ほぼほぼ喪失状態だったから、は?と思いながらも、怒る気力も起きず「いや、住み慣れてなくて迷っちゃってたりしたんだよね。ごめんね。」と言ったら、「もうチェックしたからはやくいけ、Chink」って返された。

Chinkって確か中国人をさす差別的な言葉だよな…

 

唖然。

 

数秒後すぐに悲しくってやりきれなくなったけど、逆に何かここまでやられたらおもしろくなっちゃって、思わず去り際に「あはは・・・」と棒読みで笑ってしまった。

 

こうなったらどんどんしぶとく生きてやろうではないか。

https://www.instagram.com/p/BQJTVPShScz/

 

https://www.instagram.com/p/BQSokghByhb/

そして銀行のカードをようやく作成。

 

職業証明とかいろいろ必要だと言われていたけど、なかなかの重い腰だったのだが、パスポートと生体認証カードのみを見せただけで「すぐに届くから」と言われ、本当にこの国は担当の人によって全然対応が違うんだなぁ・・・と今回はいい意味で感心したのと、拍子抜け。

 

しかしまたキクチがうまく聞き取れなかったのか、今回は「キクッチー」と返され、リズム感がよくキャッチーなソレを発する銀行員のおじさんに、一気に愛着が沸いてしまった。

https://www.instagram.com/p/BQjllochO_c/

そんなこんなでいい事もあり、いやな事もありの、上がり下がりな今日だったので、急に髪を切ってさっぱりしたくなり、しかしながら美容室を予約してそれまで待つというのもなんだか嫌だったので、手先が器用な友人に急なぶっこみで「人の髪切るの興味ない?」と尋ね、切っていただいた。

https://www.instagram.com/p/BQmAFsfDGa9/

器用な人は何もやらせてもやはり器用なのだなと実感し、髪型自体は気に行ったのだが、美容室的な設備も当然なく、彼の自宅であの体をカヴァーするものもなく散髪をしていたので、ご丁寧に我がタイトなヒートテックなタイツにねじ込む、切られた髪。

 

しかしねじ込むというかもはやハリネズミの如く突き刺さっていて、とにかく痛痒くてさっぱりするはずが予想外の苦難を生む結果となり、歩くたびに擦れる中での帰路は、軽い修行のようであり、髪を切り修行なんぞ果たしてどこぞの尼なのであろうか。

 

もうね、日々が文字どおり修行である。

 

でも日も長くなってきたし、そろそろ春の表情が見えてきているイギリスにいろいろとまだまだ期待したい。

https://www.instagram.com/p/BQfKpxIB1xA/

 

https://www.instagram.com/p/BQf0exKhZTP/

 

おかえりなさい、BPRカード。

11月に盗まれ、再発行をお願いしていた在留証明に必要であるBRPカードが無事届いた。

 

※盗まれた時の話はこちら

lclccylcy.hatenablog.com

 

 

再申請から1ヶ月半くらいだったでしょうか。

 

先日、家に「本人証明と署名が必要な為、また居る時に届けに来るわ。」と書かれていた不在通知が入っており、配達指定を今日にしてひたすら待っていたわけなのだが、なかなかじらしがうまい。この国は。

 

"配達時間は午後5時まで"と書かれていたので、4時半くらいから訪れぬ配達に一抹の不安のみが訪れる。

 

正直、この国のこういったシステムに対する信用度は10%くらいで、街にばんばん貼られた海外版リングの続編のポスターのことを思い出しながら、もはや指定日にちゃんと井戸から訪れる山村貞子はよっぽど人としてよく出来ているよなぁ。今の自分なら感心して、奴が現れたら茶菓子の一つでもふるまってしまうかもなぁ。と、人でなしへのあてのない過大評価をくだして、時間を持てあましていた。

 

すると、非通知の番号から電話がかかってきて「あなたはキクシェ?荷物届けにきたよ」と。

 

届いたことへの嬉しさと安堵が勝って、おもわず「そう。俺、キクシェ!」と答え、玄関へとすっとんでいった。

 

重要書類なので身分証明の提示が必要だと言われたのだが、特に何も提示せずに荷物を渡して足早に配達人は去って行ってしまった。

 

30ページ近くに及ぶ再申請資料の記入、数十通に及ぶメールのやりとり・・・

様々な厳しく長い戦いの末の、このあっけなく投げっぱなしのオチ。

 

これで果たしてよいのだろうか・・・

そして身分証明の照らし合わせがなかった結果、彼の中での俺の認識は一生"キクシェ"なのであろうか・・・

そんな届けど腑に落ちぬ何かを残し、俺のBRP再取得の長く短い戦いは幕を閉じたのである。

https://www.instagram.com/p/BP-fnLchlsJ/

虹色に輝くよくわからない星とか、PIKOとかRYU SPORTS的なテイストで、ほどよくダサくていとおしいよね。

 

そして、今度こそ失くさぬように本当に細心の注意を払っていこうと思う。

 

しゃかりき!

先日、友人が「お前はまだロンドンっぽいところで行っていないところが沢山あるだろうから連れってやるよ。」といったようなことを言って、俺をサイクリングに連れ出してくれることになったのだが、買ったばかりの中古の自転車がなかなかどうして相性が悪く、一度触れるたびに何かが壊れるというストリートファイター2のボーナスステージのような仕様になっているので、不安ではあったのだが、せっかく言ってくれているし・・・と、いざロンドンの端にあるエッピングフォレストへ行くこととなった。

 

イメージでは颯爽とロンドンの街を駆け抜ける自分を浮かべど、自転車にしっかり乗るのなんて高校生の通学以来だからさ、実際は走り出して2~3分で体がもう必死にSOSを発するわけ。

もうほんと必死。

生きてきた中でこんなに必死になったことがあっただろうかというレベルでもうほんと必死。

 

雲ひとつない晴天の下、建物のガラスにうつるは表情がどんより曇り真冬に汗だくの今にも死にそうな成人男性であり、もはやボロボロの自転車のほうがなんだか生き生きとしているし、頭の中の「ペダルを漕がねば・・・」という意識のみが自分を突き動かしており、いったい何に乗っていて、どこに向かっていて、自分は果たして誰で・・・と必死な己はアイデンティティすら崩壊をしはじめた。

終いには自分よりも自転車が本体のような気さえしてきて、ハリガネムシに寄生されるカマキリである。

 

そんな絶望を何も知らぬ友人はどんどん進んでいく。

ほんとに俺は自転車が本体となってしまって、人としてて存在せず、忘れ去られてしまったのではないか・・・と不安になるほどに、お構いなしにどんどん進んでいく。

一応、必死を5倍くらいに濃縮して表情に示してみたんだけど、気にせずどんどん進んでいく。

演技力がなかったのだろうか・・・それとももしかしたら元々俺は必死感がデフォルトの顔をしているのだろうか・・・と自問自答をしている間にもどんどん進んでいく。

名前を呼んでみても「ん?」と一度振り返っては爽やかに笑って、また前をすぐに向きどんどん進んでいく。

 

前向きにもほどがある。

 

休んだりしても置いてかれるのみであろう自分に残された道は、とにかく進むしかなく

果たして一体何分経ったであろうか。

 

ケツは果たしていくつに割れているのか、てかそもそも割れてなかったっけ・・・と、ケツの概念がよくわからぬ状況になってきたとき、ようやく目的地にたどり着いた。

https://www.instagram.com/p/BPiA6dEhsnE/

達成感とはこのことである。

 

なんて綺麗ですがすがしい場所なのであろう。

https://www.instagram.com/p/BPkaWArhWiI/

途中、公園に構えるカフェでサンドウィッチを買ったら、ただパンにコーンビーフを薄く乗っけただけのものが出されたのだが、それすら神の恵みに思え、全てが優しく、のどかで、自然の偉大さを感じさせてくれる本当に気持ちのよい場所だった。

 

ありがとう、連れ出してくれたトーマス。

 

ようやく自我を取り戻し、必死に漕いだ甲斐があったもんであると相棒のような目で自転車を見つめた瞬間、自転車がなぜか倒れ、今度は後輪の泥除けがおかしな方向に・・・

 

なかなか終わりよければすべて良しとしてくれぬ運命に疲労感がドッと一気にやってきたのだが、懲りずにこいつともっと色々な所を巡ってみようかなと思っている。

https://www.instagram.com/p/BPdlPPOhocm/

 レッツ運動不足解消