イッツ・ショータイム!!
「アムロス」と呼ばれる単語が作られるほど、安室奈美恵氏の引退の衝撃は未だに世間に残っている様子で、芸能界からもちらほら悲しむ声が聞こえている。
そんな中で特に印象に残ったのが、小柳ルミ子氏(以後、親しみを込めて"ルミちゃん"と呼ばせていただく)のブログである。
安室氏のような歌って踊る歌手としての、むしろ「先駆け」といっても過言ではないルミちゃん。
そんなルミちゃんもやはり後輩である彼女の引退には衝撃を受けたようで、ブログでは驚きながらも以下のように彼女とのある思い出話を記している。
"今から20年以上前ある歌番組で一緒になった時
「ルミ子さんの様に、踊りが上手くなるには、やっぱりクラシックバレエを習った方が良いですか?」
大きな目を輝かせ聞いてきた奈美恵ちゃんに…
「今のままでは、何時かきっと壁にぶつかる。年とっても踊りたいのなら、踊りの幅が必要だよ。その為にはバレエを習った方が良いと思う」
若いのに向上心のある子だなぁと思った"
やはり「先駆け」ということをルミちゃんは自負しているのだろう。
決して自慢ではなく自負しているからこその"踊りの上手いルミちゃん"アピール。
そして"今のままでは何時かきっと壁にぶつかる""年とっても踊りたいのなら"と、まるで安室氏のこの引退を予知していたかのようなアドバイスをしていたらしい。
メディアに多くを語らぬ安室にもはや口なし。
そしてルミちゃんは、こう続ける。
"あれから 結婚 出産 離婚を経験し
すっかり大人の女性になった奈美恵ちゃん"
わざわざ離婚という余計な一言を並べるルミちゃん。
後半のハッシュタグにも何故か"#離婚"を加えているルミちゃん。
もしかしたらダンサーという共通点であった賢也君とSAM氏を並べては自らに投影させて、こちらも「先駆者」としての自負があったのだろう。
そして安室氏の引退に関しての感想について、先駆者のルミちゃんはこう記している。
"アスリートや政治家等には引退はあっても
歌手の引退は考えもしなかった
そんな選択もあるのか…と"
引退という文字は私の辞書にはないアピール。
もうこうなったらあれだな。
後輩の引退発言にかこつけた、ただの「私は、生涯現役です!!」発言だな。
もはや安室も、離婚も、賢也も、瀬戸も全てはルミちゃんを彩る為のスポットライトであり
ブログでも完全な「ルミちゃん・オン・ステージ」状態。
だって、まずブログのヘッダーからして、安室が永遠ならこちらは
「引退ていう言葉なんて知らなかったよね。」
安室がデビュー曲が「ミスターUSA」なら、こちらは自分自身が「ミスUSA」
"瀬戸"の花嫁は瀬戸内海をとうに超えて"世界"のスター"RUMIKO KOYANAGI"なのである。
そんなルミちゃんの、生涯現役・世界基準のブログはなかなか読み応えがあるので、是非皆さんにもじっくり読んでいただきたいのだが、まず自らのプロフィールの生年月日には
"1952年7月2日 0時頃" と、ご丁寧にルミちゃん誕生の時間まで記されている。
世界基準のスターともなると、日が変わると共に生まれ落ちるのであろうことがここから読み取れる。
更に、定期的に"ルミコーデ"と自らおちゃめに称したコーディネートやお気に入りのアイテムも披露してくれている。
それがなかなか味わい深く、"25年前のCHANEL" "20年前のバーキン""10年前のCHANEL"とわざわざ年代をフィーチャー。
ルミちゃんのキャリアと、まさにルミちゃんのような"物持ち"の良さを感じさせてくれるのだが、たまに「年配のファンの方からのプレゼント」などと記されていると、ルミちゃんからした年配って一体・・・と歪む時空の概念。
そして俺のルミコーデの中での一番のお気に入りの記述は
"私…気に入ると
色違いで買っちゃいます🤗
昔 CHANELのパリ本店に
ハイヒール モモコちゃんと一緒に行った時
気に入った ラメ入りニットの
ロングワンピを
「5色 全部ください🤗👗」
と買ったら
モモコちゃん 驚愕してた😵‼️"
もうね、さすがエンターテイナー。
聞いてもいない情報を提供してくれるこのサービス精神。
他にも「渦中の袴田吉彦君と共演」だの、エンターテイナー精神が留まる事を知らないのか何かと一言多い・・・
しかし、
「全てのスポットライトはこの私に注がれているの。」
と言わんばかりのこのヘッダーを見てしまうと、もう何も言えやしないし、おもわずひれ伏してしまうから不思議である。
これぞRUMIKO KOYANAGIの持つスター性なのかもしれない。
安室が引退してしまい、この先の日本のエンターテイメント界を危惧する者もいるかもしれないが、まだまだ生涯現役のルミちゃんがいる限り安泰であり、どうかこれからもそのスター性と余計なお世話で元気に頑張っていただきたい。
そんなこんなで〆に、唯一MADONNAに肩を並べられるルミちゃん(feat賢也君)による
MADONNAのカヴァパフォーマンスをどうぞ。
星条旗纏うだけあるってもんだわ。
ゲゲゲの"着"太郎
「オシャレ。」
衣食住で生きる我々にとっては欠かせぬ事柄の一つ。
しかし日本では樹海の次に迷いを導き、仕舞いには我を失う事柄の一つでもあろう。
そんな迷よえる者を救う存在として、日本では「WEAR」なるアプリが存在している。
自らも日本のアパレル業界で働く身であったので登録はしてみたが、数日で消してしまった。
トレンドと呼ばれる似通ったシルエットに身を包む者の写真が並べられる光景にオシャレのゲシュタルト崩壊を引き起こされ、むしろこれはテトリスの要領で同じカラーのコーデ写真が横一に埋まった瞬間に彼らは消え去ってしまうのでは?という余計な心配までさせられたからである。
物事を斜めから見てしまう歪んだ俺には、この均一な光景はそもそも向いていないのだ。
しかしアプリは消せど、メルマガが定期的に送られてくる。
最初こそスルーしていたが、何通も送られてきたものをバーっと、ある日見返してからというものの、毎週のささやかな楽しみへと変化していった。
週毎に特集されるトピックや、それに付随するコーデ達がなかなかのインパクトなのである。
その一部を是非ともご紹介させていただきたい。
①「『抜け感』で魅せる大人のリラックスコーデ」
大人がリラックスして抜けてしまうだなんて、金曜夜の新橋の呑み屋街に行けば容易に見れてしまう光景が頭につい浮かんでしまうが、どうやらそういうことではないらしい。
添付されたスナップ男子達は、8割方、髪がゲゲゲの鬼太郎の如く前髪に反目を覆われ左横を向いている。
左横に妖気を感じているのであろう。
そして、これがその"抜け"なのだろうか。サンダルを履く者が多いのだが、それこそリモコン下駄であり、これがその"リラックス"なのだろうか。ジャケットを片手に抱える者も目立つが、それこそ鬼太郎のちゃんちゃんこ投げの瞬間に見えてきてしまうのである。
そんな戦闘準備万端な状況で、彼らはリラックスしている場合なのであろうか。
"トップスがビッグシルエットならパンツを細身にしたり、足元をスニーカーでなく革靴で合わせるとラフになり過ぎず綺麗にまとまります。"
革靴だなんて一番リラックスとはかけ離れたものを持ち出しているが、そんな余計なお世話を逐一焼いている俺こそがもっと抜けてリラックスすべきなのかもしれない。
②「『すそ3~5cm』のチラ見せがコツ!春の重ね着お手本コーデ」
"春は重ね着が一番楽しめる季節。シャツやサーマルトップスなどをすそから3cm~5cm出せば、立体感のある雰囲気オシャレに!"だそうだ。
視覚の立体感を出しておきながら雰囲気でまとめようとする、立体感の放棄。
3cm~5cmわざわざ顔を見せた"すそ"の気持ちも考えてあげて欲しい。
③「ワンランク上のBBQコーデで好感度をゲット!」
"今、最も旬なイベントはBBQ!皆さん、食材の準備は然り、服装の準備はできていますか?BBQで毎回悩むのは、やっぱり服装。爽やかに決めつつも、動きやすい服装で女子の視線を引き付けられれば完璧です☆"
もうどこから手をつければいいのか分からない。
BBQで毎回悩むのは服装というが、そんなもので悩む男をBBQに連れてきたところで、単なるでくのぼうであり、居られるだけで迷惑。好感度なんぞ言っている場合ではないであろう。
しかも食材と、服装の準備を同等に並べられている。
スナップを見てみても、2名程、チェックシャツを着ずに肩にかけている。
肉と間違えて服を焼くつもりなのではないかと勝手にこちらがひやひやしてしまう。
④「モテるメンズのお呼ばれフォーマルスタイル」
"いよいよジューンブライドの季節到来♪結婚式や二次会など、ちょっとしたパーティーも増える時期。マナーを守りつつ、オシャレで好感度がある服装をしたい!"
モテるメンズではない俺がお呼ばれされるだなんて、"あの世"しかないが、モテるメンズは華やかな場にお呼ばれされるのであろう。
しかし、ここでもまた"好感度"という言葉が乱用されている。
そしてスナップ男子達、ここでも何故かまた髪型の"鬼太郎"率が高いのである。
やはり彼らも"あの世"からお呼ばれされているのではなかろうか。
そんなこんなで4つほど、気になったトピックを紹介させていただいた。
総合的に言うと、かつてこそ「ギャル」「渋谷系」「原宿系」「B系」などあらゆるジャンルがあった花畑のような光景が、ファストファッションやネットの普及等で世の隔てがどんどん無くなり「オシャレ。」の実態が飽和状態となって、まさにグレーの墓石がただ並ぶ墓場のような光景となり、だからこその"鬼太郎"なのかもしれない。
いつか「旬の"一反もめん"生地で夏の涼しげスタイル♪」「墓場で運動会の時に目立つ☆旬の好感度アップコーデ」などが組まれぬように、もっと皆、おもいおもいに楽しんで日本のファッションがまた盛り上がればいいな。と思うが、しかしそんな懐古的な考えの俺こそがきっと世にしたら成仏できずにさまよう哀れな妖怪なのである。